城ぶら「山形城」!出羽の勇将・最上義光、飛躍の名城

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

街あるき好きにして、歴史好き。
そんな人たちにとって最高の旅。それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。

今日の夢中は、出羽の名将・最上義光、飛躍の名城「山形城」別名「霞城」(かじょう)。日本100名城の一つです。

■城語り

まずは、物語りならぬ城語り(しろがたり)から。

山形城は、羽州探題として山形に入った斯波兼頼(しばかねより)が1357年に築城したことに始まります。
この後、斯波氏はやがて「最上氏」を称するようになり、代々、山形城を居城としました。

戦国期に入り、11代・最上義光の頃に城郭を拡大し、三ノ丸を構築、城下町の整備を進めます。
さらに義光は、関ヶ原の戦いで東軍に与し、「北の関ヶ原」と呼ばれる慶長出羽決戦で西軍・直江兼続軍を退けます。
その功績により、義光は家康から57万石の領地を認められ、山形藩の初代藩主となりました。

義光の死後に起きた最上騒動ののち、1622年に最上氏は改易。山形藩は鳥居忠政による統治が始まります。
忠政は山形城の大規模改修を行い、現在の二の丸の堀や石垣を造るなど、ほぼ現在の姿の原型を築きました。

鳥居氏以降も、保科氏、松平氏、堀田氏、秋元氏、水野氏など、徳川譜代の大名が城主を務めます。
明治期に入り廃城(1871年)、櫓や御殿は破却、本丸は埋め立てられました。現在、本丸・二の丸跡は「霞城公園」として一般に開放されています。

■城ぶらり~二ノ丸跡

それでは、東北出羽の名城「山形城」をぶら歩きします。

山形城は、本丸(2.83ヘクタール)・二ノ丸(27.99ヘクタール)・三ノ丸(234.86ヘクタール)を三重の堀と土塁で囲んだ輪郭式の平城で、東北では最大です。
「北の関ヶ原」と呼ばれた慶長出羽合戦では、城郭が霞で隠れて見えなかったことから、「霞城」(かじょう)と呼ばれるようになりました。

そのうち、本丸と二ノ丸跡が「霞城公園」として一般に開放されています。
山形城二ノ丸の正門となるのが、「二ノ丸東大手門」です。櫓門、多門櫓、高麗門、土塀など、史実に従い1991年に復元されています。

桝形に造られた入口は、攻め入ろうとする者に矢弾を浴びせられる構造。
白壁が美しい…。映画「超高速!参勤交代」における江戸城シーンの撮影に使われました。

中に入ると、初代藩主の最上義光、その騎馬像が建っています。
これは、直江兼続軍が攻めてきた際、義光自らが陣頭に立って決戦の場へ向かっていく雄姿を再現したもの。
義光は、身長が180~190㎝もあったと言われ、平均身長157㎝しかなかった戦国時代ではかなりの巨人でした。出羽の勇将・義光の迫力が伝わりますね。

この東大手門をハイライトとして、南門、西門、北門と、四方に城門跡があります。
まずは南門。訪れたこの日は、ちょうど紅葉が石垣に映えていました。

いずれの城門にも立派な石垣が用いられています。この石垣は、最上氏の後に城主となった鳥居氏によって改築されたもの。上杉や伊達、佐竹などの外様大名への備えとしたのでしょうね。
西門は、石垣も桝形構造も見事。これは攻め入る側はキツイわ…。

北門の石垣も堅牢そのもの。他にも、二ノ丸の隅に櫓跡が残っているほか、土塁を屈曲させて敵を横方向から攻撃できる「横矢」跡も残っています。
さすがは東北出羽の名城。鉄壁の防御が施されているのですね。

■城ぶらり~本丸跡

公園の中央部が本丸跡です。その周囲を堀跡が巡っています。
廃城後に埋め立てられた堀を発掘して復元。なんと美しい…。堀ファンにはたまらない造形です。

さらに、本丸の正門にあたる一文字門も復元されています。
堀に架かる大手橋を渡り高麗門をくぐると、石垣・土塀に囲まれた「桝形」に入ります。右に折れたところが櫓門になっていて、ここで敵の侵入を防ぐ構造になっていました。

本丸内部は現在、往時にあった「本丸御殿」の復原に向けて、発掘調査が進められています。
調査では、最上義光の頃のものと見られる、「山」の文様を記した金箔の瓦も発掘されています。今後の調査も復原も楽しみです。浪漫が広がりますねぇ…。

他にも、霞城公園内には、斯波兼頼レリーフや山形市郷土館など、見どころがいっぱい。
近くには最上義光歴史館などもあり、山形の歴史や文化に触れる「城ぶら」を楽しめます。

東北出羽の名城、山形城。
出羽の勇将・最上義光の飛躍を支えた城は、美しく、そして壮大でした…。

ありがとう、山形城! ありがとう、霞城公園!

■基本情報

名称:山形城跡
所在地:山形県山形市霞城町1
アクセス:JR山形駅から徒歩10分

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