城ぶら「鬼ノ城」!大和朝廷の鬼退治?謎多き古代の山城

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

街あるき好きにして、歴史好き。
そんな人たちにとって最高の旅。それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。

今日の夢中は、岡山県総社市にそびえる謎の城。鬼ノ城です。

■城語り

日本にある城の多くは戦国時代に築かれたもの。
ただ、今回訪れる「鬼ノ城」の築城は、そのはるか昔、大和朝廷の時代と言われています。

築城年は7世紀後半。築城者は不明。
大和朝廷によって国の防衛のために築かれたとされますが、歴史書には一切記載がなく、その出自は謎に包まれています

この地に伝わる吉備津彦による鬼退治伝説と重ね合わせて見る人も多いはず。
この鬼は温羅(うら)と呼ばれる伝承上の鬼・人物で、鬼ノ城を拠点として一帯を支配したといいます。
これを退治したのが大和朝廷から派遣された吉備津彦。桃太郎伝説のモチーフになったとされている伝承ですね。

■鬼ノ城ぶらり

そんな謎の城「鬼ノ城」をぶら歩き
鬼ノ城は、鬼ノ城山一帯に築かれた山城です。

登城口となる鬼ノ城ビジターセンターから、山道を登っていきます。
歩いてしばらくすると、遠くに怪しげな建物が見えてきました。
これが鬼ノ城・西の備え、角楼(左)と西門(右)です。

この日は雨上がりということもあって、ときおり靄が山を覆うような天気。
靄が出ると、その姿は一層怪しげに見えます。

近づくと、確かに戦国の城とは異なる雰囲気。
土塁もインパクトがありますし、復元された西門には瓦がありません。
発掘した遺跡のなかに瓦がなかったことから、屋根は木造だったと考えられています。


(角楼)


(西門)

■鬼ノ城をぐるり一周

ここで引き返すこともできますが、さらにディープな山歩きコースも用意されています。
西門にいたガイドさんに聞くと、「一周2時間くらいかな。大人の男性なら1時間で行けるよ」とのこと。随分とざっくりだな…。

少し悩みましたが、ここまで来たら行ってみよう!
西門から反時計回りで鬼ノ城山を一周、古代山城の各門を城ぶら(門ぶら?)します。

まずは南門。西門と同じく角柱12本で上屋を構成する、大型の門です。
西門か南門のどちらかが正門だったと見られています。


(南門)

そして東門。他の門と異なり、すべて丸柱が用いられている門です。
麓からの山道は当時の登城道でも使われていた可能性が高いのだとか。


(東門)

続いて史跡の大きな見どころである、屏風折れの石垣
切り立った崖の上に巨岩が積み上げられています。


(屏風折れの石垣)


(屏風折れの石垣からの景色)

もうバテバテです。なんてったて、この一周コースは約4~4.5㎞、しかも悪路の山歩きです。
地図を見て、まだ半分であることに気づき、猛烈に後悔しましたが時すでに遅し。

汗をぬぐいながら、ようやく北門
東門と同様に小ぶりな門。上屋についてはなお調査中なのだとか。


(北門)

途中、礎石建物跡を見て、本当にここで暮らしていたんだと感慨に浸かります。
倉庫や管理棟の跡と見られているのだとか。倉庫は相当な重量に耐える礎石を置く建物であることから、穀物や武器を収める高床式の倉庫だったと考えられています。


(礎石建物跡)

そして再び西門へ。たしかに1時間ちょっとだけど、この汗と呼吸の乱れは、決して「遊歩道」ではない。
雨上がりの山道を甘く見てはいけません…。靴もズボンも泥だらけです…。

今日の城ぶらり旅のハッと気づいた教訓。略して「城ぶらりハッと」
山城歩きは、晴れた日がベストです。雨の翌日も避けたほうがいいでしょう。
そういえば、この前、どしゃぶりの山歩きを断念したばかり…。人間って懲りないなぁ。反省です。

ありがとう、鬼ノ城!

■基本情報

名称:鬼ノ城(きのじょう)
築城年:7世紀後半(?)
築城者:不明
所在地:岡山県総社市黒尾・奥坂

アクセス:総社駅から車で30分

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