城ぶら「新発田城」!越後新発田を見守る勇壮かつ美麗な名城

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

街あるき好きにして、歴史好き。
そんな人たちにとって最高の旅。それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。

今日の夢中は、新潟県新発田市にある、日本100名城にも挙げられている名城、「新発田城」(しばたじょう)です。

■城語り

まずは、物語りならぬ城語り(しろがたり)から。

最初の築城は、源頼朝に仕えた佐々木盛綱の流れをくむ新発田氏によるものと考えられます。
その後、代々新発田氏の居城となっていましたが、天正9年(1581年)、新発田重家が上杉景勝に対して反乱を起こすと、天正15年(1587年)、景勝の攻撃によって新発田城は落城、新発田氏は滅亡しました。

この後上杉景勝が会津転封になると、慶長2年(1597年)、溝口秀勝が6万石を与えられ新発田に入封します。
この秀勝は関ヶ原の戦いで東軍に与し、上杉方が扇動する一揆を鎮圧。家康から所領を安堵されて、初代新発田藩主となりました。

その統治を進めるにあたって拠点としたのが、新発田城です。
秀勝は破却されていた新発田城の再建に着手、近代城郭への整備を進め、3代宣直の時代に完成を見ました。

新発田城は、江戸時代末まで溝口家が代々藩主を務め、明治期になって廃城となりました(1873年)。
城郭跡はその後、陸軍の管轄となります。今も、跡地には陸上自衛隊の駐屯地が置かれています。

■城ぶらり

それでは、新潟県新発田市にある平城、新発田城をぶら歩きします。

新発田城は、跡地の多くが現在も陸上自衛隊の駐屯地となっているため、すべてを見学することはできません。
それでも、櫓門や隅櫓、石垣など、当時の威容をしのぶ見どころが沢山あります。

まずは、新発田城本丸の正門となる「本丸表門」
こちらは寛文8年(1668年)の大火で焼失したものを享保年間に再建した櫓門、貴重な現存建築です。
門の上に部屋を配置、格子窓から通行人を監視したり、床を外して攻撃できる構造となっています。

表門を通って広がる「本丸跡」は小じんまり。壁の向こうは自衛隊駐屯地となっています。
初代新発田藩主の溝口秀勝の銅像が建っていました。

同じく現存の貴重な建物が、「二の丸隅櫓」です。入母屋造の二層二階櫓。
こちらも寛永の大火後に再建されたもの。二の丸北部にあったものを、現在の本丸南西隅に移築されました。
内堀を見下ろす姿は勇壮そのもの。移築とはいえ、建物が残っていて良かった…。

さらに勇壮な威容をあらわすのが、「三階櫓」です。
その名の通り、三層三階建ての櫓で、新発田城における実質的な天守。
最上階の屋根は丁字型の入母屋屋根で、その端に三匹の鯱をのせているのが特徴です。攻め入った敵を鯱の位置で惑わす狙いがあったとのだとか。平成16年(2004年)に復元されました。

この三階櫓の建つ本丸北側は自衛隊駐屯地となっているため、残念ながら見学はできません。
海鼠壁(なまこかべ)や石垣も城ファンにはたまりません。特に全長約350mにも及ぶ石垣は、石を整形し隙間なく積む「切込はぎ」の手法が用いられ、その技術は全国でもトップクラスと評価されています。

三階櫓とともに復元されたのが、「辰巳櫓」
本丸から見て南東(辰巳)の位置にある、白漆喰塗りが美しい二層二階櫓です。
かつて、赤穂義士・堀部安兵衛の父が管理を務めていましたが、失火の責任を取って追放。安兵衛の赤穂藩仕官につながっていくのです。

ということで、ここ新発田城下は、赤穂義士・堀部安兵衛の生まれ故郷でもあります。
本丸表門の近くには、江戸方面を見つめる「堀部安兵衛像」が建っています。

■街ぶらり

新発田市は、レンタサイクルでまわるのがおススメ。
新発田城跡を「城ぶら」した後は、市内をぶらり観光。城好きにはたまらない、こんな史跡もありました。

新発田藩主溝口家の下屋敷(別邸)が置かれたのが、清水谷と呼ばれた地。
広さ約4600坪の下屋敷に、大名庭園が築庭されました。そこは「清水園」として一般公開されています。

四季折々で装いを変える回遊式庭園は、越後路から東北にかけて他に類をみない名園といわれます。
書院や茶室、武家屋敷などを見ることができます。蔵の資料館では、新発田藩の歴史を学ぶ史料が展示されています。

清水園に沿って流れる新発田川を隔てた道すじに、「足軽長屋」があります。
藩政時代の足軽が居住した茅葺の平屋建て建築。この一棟に8軒の住まいがありました。
当時の下級武士たちの生活をうかがい知ることのできる貴重な遺構です。


さすがは日本100名城、新発田城
歴史の表舞台に出ることの少ない城ですが、今に残る城跡は勇壮かつ美麗な姿で訪れる者を惹き付けます。

市内の史跡めぐりも堪能。「城ぶら」の名にふさわしい、城めぐりと街めぐりを楽しむことができました。

ありがとう、新発田城!

■基本情報

名称:新発田城
所在地:新潟県新発田市大手町6
アクセス:JR新発田駅から徒歩25分
営業時間:(4~11月)9時~17時
休業:12月~3月

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