家康を辿る城旅「浜松城」!岡崎から浜松へ…家康が17年本拠とした遠江の城

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

全国の城や史跡をぶらり旅する「夢中図書館 いざ城ぶら!」。現在、家康を辿る城旅を展開中…。
今日の夢中は、家康を辿る城旅「浜松城」!岡崎から浜松へ…家康が17年本拠とした遠江の城です。

■家康を辿る物語

今川氏真の籠る掛川城をなんとか開城させた家康でしたが、さらなる難題が降りかかります。

このとき、家康は武田氏と同盟を結び、共に今川領に侵攻していました。
その条件は、東の駿府は武田領、西の遠江は徳川領とするというものでした(異説あり)。

にもかかわらず、武田家臣の秋山虎繁(信友)が、遠江に侵攻してきたのです。
これに対し家康は武田信玄に強く抗議。信玄は撤退すると約束しましたが、これをきっかけに同盟は崩壊しています。

元亀元年(1570年)、強大な武田軍の侵攻に備えるため、家康は本拠を三河岡崎から遠江曳馬に移します。
このとき、2年前に攻め取った「曳馬城」を拡張して、居城を築くこととしました。

それが、曳馬の地に新たに築かれた家康の城「浜松城」です。
曳馬という名称が「馬を引く」、つまり敗北につながり縁起が悪いことから、「浜松」に改められました

岡崎城は嫡男信康に譲り、家康は「浜松城」にこの後17年もの間、在城することになるのです。

■浜松城~天守曲輪、天守門、埋門

家康を辿る城旅…。今日は、家康が岡崎の次に本拠を置いた浜松へ。
続日本100名城の一つにも数えられる「浜松城」を訪問します。

浜松城は、現在の静岡県浜松市中区にあり、一帯が浜松城公園として整備されています。
その前身は、家康が今川氏から攻め取った曳馬城。これを改修し城域を拡幅して、「浜松城」と改称しました。

(左:浜松城公園入口、右:家康時代の浜松城)

家康が築城した浜松城は、土造りの城で、石垣や瓦葺建物はなかったと考えられます。
いま当地を訪れると、復興天守や石垣の跡を見ることができますが、そうした近世城郭を築いたのは、家康の関東移封後に浜松城主となった堀尾吉晴です。

現在の浜松城の見どころの一つは、まさにその石垣。
自然石を積み上げた野面積みの石垣を見ることができます。本丸跡に残る石垣は2014年尾発掘調査により発見されたもの。貴重な遺構ですね。

(野面積みの石垣)

さらに石垣ファンにはたまらない風景が続きます。
天守を囲む天守曲輪に築かれた石垣は、斜面上半部だけに石を積んだ「鉢巻石垣」と呼ばれる造り。屏風折れなども施されており、戦闘時の防御機能を高めたものと考えられます。

(天守曲輪の石垣)

天守曲輪の東側に位置するのが、大手にあたる「天守門」です。
左右に巨石が用いられています。「鏡石」とも呼ばれるこの巨石は、城の壮大さや城主の権力を見せるため、意図的に大きな石が用いられたと言われます。

(天守門)

一方、天守曲輪の西側に位置するのが、搦手(裏口)にあたる「埋門」(うずみもん)です。
城主や客人が使用するのが天守門であるのに対し、こちらは日常管理や有事の際の脱出経路として設定されました。
往時は、石垣上部に土塀が設けられ、その下に石垣に挟まれる形で門があったと考えられます。

(埋門)

■浜松城~天守、天守台、鎧掛松

そして天守曲輪の中央にそびえ立つのが、「天守」(復興天守)です。
天守は堀尾氏により16世紀末に創建されたとみられますが、江戸時代初期には失われ、以降再建されませんでした。

(復興天守)

その天守を支える天守台は、1辺約21mのややいびつな四角形。
天守台上部は安政の大地震や復興天守建設時に積み直されたとみられますが、野面積みによる創建当時の姿がよく残されています。

(天守台)

家康は、浜松城に29歳から45歳まで約17年在城しました。最も脂の乗っていた時期ですね…。
浜松城の本丸跡には、その頃の姿を偲ぶ「若き日の徳川家康公の銅像」という徳川家康の像があります。

(若き日の徳川家康公の銅像)

さらに少し足を延ばすと、「家康公鎧掛松」という史跡があります。
これは、三方ヶ原の戦いで敗れ、浜松城に逃げ帰った家康が、鎧を脱いでこの松に掛けたという伝承からこの名が付けられたもの。
現在の松は3代目で、初代の松は浜松城内の堀の近くにあったといわれています。

(家康公鎧掛松)

そうなんです…。浜松城在城の17年は決して順風満帆なものではありませんでした。
浜松城のある遠江の地と領土を接して、戦国最強と呼ばれる武田信玄がいました。その信玄との戦いが、間もなく始まるのです…。

■基本情報

名称:浜松城
住所:静岡県浜松市中区元城町100−2
アクセス:JR浜松町駅から徒歩20分またはバス
営業時間:8:30~16:30
休館日:12月29~31日

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