城ぶら「鶴ヶ城」（会津若松城）！堅牢な守りと荘厳美麗な天守と…戦国・維新の歴史の残る名城

2025年8月10日

ふゆき

こんにちは。夢中図書館へようこそ！
館長のふゆきです。

街あるき好きにして、歴史好き。そんな人たちにとって最高の旅。
それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。

今日の夢中は、城ぶら「鶴ヶ城」（会津若松城）！堅牢な守りと荘厳美麗な天守と…戦国・維新の歴史の残る名城です。

■城語り

まずは、物語りならぬ城語り（しろがたり）から。

会津若松城の起源は、至徳元年（1384年）に蘆名直盛が築いた東黒川館にあるといわれます。
その後、戦国期には蘆名氏と伊達政宗が激しい争いを繰り広げますが、政宗が豊臣秀吉に臣従すると、天正18年（1590年）蒲生氏郷が領主として入りました。

氏郷は城を近代城郭へと改修し、城下町を整備。町の名を「黒川」から「若松」へと改めました。
そして文禄2年（1593年）、東日本で初の本格的な天守閣を建てて「鶴ヶ城」と命名しました。

江戸時代に入って寛永20年（1643年）、将軍徳川家光の庶弟である保科正之が入封。
以降、徳川幕府を支える親藩大名として、明治維新まで会津松平家（保科家から改姓）の居城となりました。

慶応4年（1868年）の戊辰戦争では、新政府軍の標的とされた会津藩に新政府軍が侵攻します。
堅城を誇る鶴ヶ城（会津若松城）は1か月に及ぶ猛攻を耐えましたが、新政府軍の降伏勧告を受け開城しました。

■城ぶらり

それでは、戦国から維新期まで、歴史にその名を残す東北の名城、「鶴ヶ城」（会津若松城）をぶら歩きしましょう。日本100名城の一つです。

鶴ヶ城（会津若松城）は戊辰戦争の後、天守閣をはじめとするすべての建物が取り壊されました。
しかし昭和に入って復旧に向けた動きが本格化すると、昭和40年（1965年）に天守閣が再建。さらに平成に入り茶室や隅櫓も復元されています。

そんな鶴ヶ城（会津若松城）は現在、「鶴ヶ城城址公園」として一般に開放されています。
約69,000坪の敷地に天守閣や茶室などの建物を再現。内堀より内側のエリアは、戊辰戦争当時の縄張がほぼ残されているという貴重な史跡です。

城の外側にある三の丸から、内側の本丸へと歩みを進めていきましょう。
三の丸跡には、新島八重像や司馬遼太郎文学碑が建っていました。大河ドラマ「八重の桜」の主人公・新島八重は会津藩の出身、鶴ヶ城籠城戦を戦いました。

続いて、二の丸跡へ向かいます。三の丸と二ノ丸の間は、大きな堀（空堀と水堀）で隔てられています。
この辺りは、さすがは堅城を誇る鶴ヶ城（会津若松城）。新政府軍の1か月に及ぶ砲撃をしのいだ当時をしのぶことができます。

堀を超えて二の丸跡へと足を踏み入れると、そこに堅牢な石垣が立ちふさがります。石垣を取り入れたのは、西国から来た蒲生氏郷でしょうか…。
そんな想像をめぐらしながら内部へ。二の丸跡は現在は広大な草地となっています。土塁があるのも、往時の名残りでしょう。

■本丸跡・復元天守

続いて、本丸跡へと向かいます。二の丸跡と本丸跡の間も堀が築かれています。
こちらが内堀ですね。先ほどの外堀よりもさらに広い…。本丸を死守する造りとなっています。こりゃ、攻める側も大変だ…。

本丸跡へは、欄干が朱に塗られた「廊下橋」を通って向かいます。その渡った先には、侵入者を威圧するような大きな石垣がそびえ立っていました。
この本丸入口は桝形構造になっていて、攻め手は真っ直ぐ進むことができず、加えてどこから攻撃されるか分からないという恐ろしい造り。城主のいる天守に安易に近づけないようになっています。