いざ城ぶら「二条城」!徳川の栄枯盛衰を見つめた世界遺産の名城

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

街あるき好きにして、歴史好き。
そんな人たちにとって最高の旅。それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。

今日の城ぶらは、世界遺産に登録されている、京の都の荘厳な城、二条城です。

■城語り

まずは、物語りならぬ城語り(しろがたり)から。

京都の名城「二条城」。その名が歴史に刻まれるのは、戦国時代の終わりからです。
織田信長が足利義昭を擁して上洛。義昭が室町15代将軍となるのを援けると、その義昭のために、京都に二条城を築きました。

なお、織田信長が築いた二条城は、現在の二条城とは別の場所(北東)にありました。
この二条城は、現在の二条城と区別するために「旧二条城」と呼ばれています。

しかし、やがて両者は袂を分かちます。義昭は信長を討つために挙兵しますが敗退。
旧二条城は破却・解体され、その材木などは安土城に転用されたと伝えられます。

現在の二条城は、それから30年後、江戸幕府を開いた徳川家康が築城したものです。
関ヶ原の戦いで勝利した家康は、京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所のために京都に城を築くことを決めます。

豊臣方に徳川の威信を示す必要もあったのでしょう、諸大名に命じて築かれ、荘厳な二条城が築かれました。
家康から家光まで、将軍就任の際は、ここ二条城で重臣や公家を集めて祝賀の儀が行われました。

3代将軍家光の時代に、後水尾天皇の行幸のために大規模な改修が行われます。
このとき家光は城域を西に拡大。天守を伏見城から移して築き(後に焼失)、現在の形になりました。

ときは過ぎて幕末。1867年に15代将軍慶喜が、二の丸御殿の大広間で「大政奉還」を宣言
ここで、江戸徳川260年の時代に幕を下ろしました。

江戸徳川時代の栄枯盛衰を見つめてきた二条城は、1994年、ユネスコ世界遺産に登録
今の時代に、絢爛たる桃山文化の遺構を伝えています。

■城ぶらり

それでは、世界遺産に登録されている京都の名城「二条城」をぶら歩きします。

まずは、二条城の外堀をぶら歩き。その4隅は見張り台として隅櫓が建てられていました。
現存するのは、東南隅櫓(写真左)と西南隅櫓(写真右)です。

二条城の正門にあたるのが東大手門です。現存の門は1662年頃の建築と考えられています。
皆さん、修学旅行などで二条城を訪れた際は、ここから入城したはず。覚えてますか?

城内を進むと、二の丸御殿の正門にあたる唐門があります。息を飲む豪華絢爛さですね…。
「松竹梅に鶴」や「唐獅子」など、極彩色の彫刻が門を飾っています。2013年に復元されました。

唐門を抜けて、国宝の二の丸御殿へ。
全6棟の建物からなり、部屋数は33室、広さは800畳余り。「松鷹図」をはじめとした狩野派の障壁画や多彩な欄間彫刻によって装飾されています。これぞ、将軍の御殿…
徳川慶喜が重臣たちに大政奉還を告げた広間も残っています。

二の丸御殿の内部を見学した後は、二の丸庭園へ。
池の中央に蓬莱島、左右に鶴亀の島を配した書院造の庭園です。1626年の後水尾天皇行幸のために改修整備されました。

さらに進んで、本丸へ。
3代将軍・徳川家光が後水尾天皇行幸のため、城域を西側に拡げて新たに築きました。
本丸御殿は保存修理工事中のため見学できませんが、本丸を防御する「本丸櫓門」、明治天皇の指示に作られた庭園「本丸庭園」は見学できます。

さらに進むと、本丸の南西隅に天守閣跡があります。
ここには伏見城から移された五重六階の天守閣がありましたが、1750年に落雷により焼失。その後再建されることなく、石垣だけが残されています。

本丸を出ると、ぐるっと回って北側へ。
本丸への通路を塞ぐ「北中仕切門」(写真左)、京都所司代屋敷との連絡門として使われたとされる「北大手門」(写真右)があります。その間には、京都の豪商・角倉家から建築部材や庭石などを譲り受けて作庭された「清流園」(写真中央)があります。

お疲れさまでした。これで二条城の「城ぶら」終了、東大手門に戻ることができました。
それにしても、なんて見どころが多い城なんだろう…

豪華絢爛でいて、わびさびの風情もあり。徳川の栄枯盛衰の歴史もうかがい知ることができます。
大人の修学旅行にもぴったりですね。何度でも訪れたい世界に誇る京都の名城、「二条城」でした。

ありがとう、二条城!

■基本情報

名称:二条城
所在地:京都府京都市中央区二条通堀川西入二条城町541
アクセス:地下鉄東西線「二条城前駅」下車
料金:一般600円 中学生・高校生350円 小学生200円
営業時間:8:45~16:00(閉門17:00)※夏季は時間延長あり
休業:年末年始(12/26~1/4)

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