城ぶら「小諸城」!センゴクの夢の跡、懐古園をぶら歩き

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

街あるき好きにして、歴史好き。
そんな人たちにとって最高の旅。それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。

今日の城ぶらは、日本100名城の一つ、現在は懐古園として公開されている、小諸城です。

■城語り

まずは、物語りならぬ城語り(しろがたり)から。

日本100名城の一つ、小諸城
小諸城は、その城郭が城下町よりも低い場所に位置する「穴城(あなじろ)」。日本で唯一といわれています。

その起源は、平安時代末期
「平家物語」にも登場する木曽義仲の武将・小室太郎光兼(小諸太郎と表記されることも)が当地に館を構えたのがはじまりです。

戦国時代になると、武田信玄の命によって山本勘助らが縄張りして築城。小諸城の原型ができたとされています。
武田氏が滅びると、織田信長の将・滝川一益の領地となりますが、その信長も命を落とすと、北条、徳川、上杉、真田による争奪戦が繰り広げられます。このときは秀吉の仲裁により、徳川家康の所領となりました。

後に、その徳川家康が関東に転封されると、仙石秀久が小諸城主になります。
この仙石秀久は最近、漫画「センゴク」でスポットライトを浴びている、実力で大名の座を勝ち取った武将です。
秀久は、本丸に天守閣を構えるなど、小諸城の整備を進めました。

センゴク(1)

秀久は関ヶ原の戦いで徳川方につき、小諸城で徳川秀忠軍を迎えました
ここから、秀忠は真田氏が籠城する上田城を攻めましたが、苦戦の末に撤退。関ヶ原に遅参するという失態を演じました。

江戸時代に入ると、秀久は小諸藩の初代藩主として引き続き当地を治めることとなりました。
秀久は、大手門などの城郭整備のほか、小諸の城下町や街道の整備を進めました。

その仙石氏が1622年に上田城に転封されると、松平氏、青山氏、酒井氏など藩主を替えながら小諸の町は発展を続けます。
1702年に牧野氏が小諸藩主になると、10代170年にわたり藩主を務めました。

明治時代になり、廃藩置県で役割を終えた小諸城には「懐古神社」が祀られ、城内は「懐古園」と名づけられました。
今では、美術館や記念館、動物園や遊園地なども整備された市民に愛される公園になっています。

■城ぶらり

そんな小諸城・懐古園をぶら歩き。
まずは小諸城の正門、大手門。仙石秀久によって創建されました。
質実剛健な造りは、さすがは戦国を馳せた武将「センゴク」の面目躍如といったところでしょうか。

続いて、三の門。こちらも仙石秀久による創建。
三の門の正面に掲げられる「懐古園」の額は、徳川宗家16代当主の徳川家達の筆によるものです。これも徳川の信頼の証なんでしょうね。

この三の門の近くには、興味深い史跡があります。
一つは、鏡石武田信玄の軍師・山本勘助が小諸城築城時に使用したと伝えられている石です。
勘助は朝夕、この鏡石に自分の顔を映して内省したのだとか…。

いま一つは、徳川秀忠公憩石
関ヶ原参陣の途中、真田氏攻略のために小諸城を本陣とした秀忠。このときに秀忠が腰を掛けた石と伝えられています。イライラしてたんだろうなぁ…。

城内も見どころが盛りだくさんです。
まずは、二の丸跡。仙石秀久は関ヶ原の戦に向かう徳川秀忠を、ここに本陣を構えて迎えました。
確かにここは上田城方面を見渡せる絶好の位置。でも、結局は真田昌幸にのらりくらり翻弄されちゃんだよね…。

続いて南の丸跡。二の丸から本丸に向かう道の左側にあります。
高さ約3メートルの石垣は、織豊時代に特徴的な野面石積み。戦国期の石垣って迫力ありますよね。仙石秀久の城造りの巧みさが伝わります。

そして本丸跡へ。現在は懐古神社が建っています。
小諸城は、明治期になって廃城となり民間に払い下げられましたが、忠義心の篤い小諸藩の元藩士らが資金を集めて城内を買い取りました。
そのときに本丸跡に祀ったのが懐古神社です。歴代の小諸藩主の霊も合祀されています。

本丸を囲う石垣はなんと約6メートル。上から見下ろすと肝が冷えます。手すりも何も無いんだもん…。高所恐怖症の人はご用心。

そこにさらに石垣を積んでいるのが天守台跡
仙石秀久はここに、金箔瓦で葺かれた三層の天守閣を建てたと言われています。
残念ながら1626年に落雷により焼失。その後再建されることはありませんでした。

それにしても、さすがは「センゴク」の城
自らの実力で大名の座を勝ち取った仙石秀久の夢の跡が、其処彼処に残っています。

でも、そんなセンゴクも、城の跡が、遊園地とか動物園になるとは思ってなかったろうな。
そうなんです。城内には、小諸市児童遊園地や小諸市動物園もあるんです。お子様連れにもおススメですね。

ありがとう、小諸城址! ありがとう、懐古園!

■基本情報

名称:懐古園(小諸城址)
所在地:長野県小諸市丁311
アクセス:しなの鉄道小諸駅から徒歩3分
開園日時:(懐古園)9:00~17:00 ※動物園・遊園地は別。HP等で要確認。
入園料:(共通券)大人500円、小中学生200円、(散策券)大人300円、小中学生100円

ブログランキングに参加しています

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事