戦国の梟雄・斎藤道三の生涯とは?道三ゆかりの「鷺山城」「道三塚」「常在寺」へ

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

全国の城や史跡をぶらり旅する「夢中図書館 いざ城ぶら!」。現在、家康を辿る城旅を展開中…。
今日の夢中は、戦国の梟雄・斎藤道三の生涯とは?道三ゆかりの「鷺山城」「道三塚」「常在寺」へ…です。

(鷺山城跡)

■斎藤道三の生涯

斎藤道三。戦国時代の武将、美濃国の戦国大名。
一介の学僧から大名にのし上がった、「戦国の梟雄」と呼ばれる武将です。

僧侶から油商人を経て武士になると、その武芸と才覚で次第に頭角を現し、美濃守護の土岐氏一族の頼芸の信頼を得ます。
策を講じて頼芸を守護の座につけると、その信任をバックに、ライバルたちを謀略や暗殺によって排除。最終的にはその頼芸を尾張に追放して、道三は事実上の美濃国主となりました。

この道三と激しく争ったのが、尾張の織田信秀です。頼芸を担いで美濃に侵攻。
ついに道三の本拠地・稲葉山城に攻め込んできます。しかし籠城していた道三は相手の隙をついて出撃、織田軍を壊滅寸前にまで追い込みました。

これを契機に、道三は織田信秀は和睦。その証として、娘の帰蝶(後の濃姫)を信秀の嫡男・信長に嫁がせました。
後に信長と会見した道三は、その器量に惚れ込み、「我が子たちはあのうつけ(信長)の門前に馬をつなぐよう(家来)になる」と述べたと伝わります。

その後、道三は家督を嫡子の義龍に譲り、鷺山城に隠居します。
しかし、道三が義龍の弟二人を偏愛したことから、両者の対立が顕在化。義龍は弟たちを暗殺したうえで兵を挙げ、道三を討ち果たしました。

■鷺山城

それでは、斎藤道三ゆかりの城をめぐりましょう。
道三が本拠とした稲葉山城(現・岐阜城)については前回訪問レポートをまとめました。道三亡き後、娘婿の織田信長が斎藤龍興(義龍の息子)を滅ぼし、本拠としました。

今日は、もう一つの道三ゆかりの城、道三が隠居して移った城「鷺山城」を訪れます。
鷺山城は、稲葉山城(現・岐阜城)の北西約3㎞のところ、その名のとおり標高68mの鷺山に築かれた山城でした。

現在は、鷺山公園として整備されています。
詳しい案内がないので分かりませんが、曲輪跡と思しき台地にベンチが置かれたりしていました。

(鷺山公園、曲輪跡)

そして山城恒例の山道を登っていくと、山頂部に「鷺山城跡」の石碑が建っていました。
残念ながら顕著な遺構は残っていませんが、古図などから東山麓に東西約150m、南北約200mの巨大な方形の館が存在していたようです。

(鷺山城跡の石碑)

■道三塚と常在寺

鷺山城に隠居した斎藤道三ですが、息子・義龍と対立し、長良川の戦いにより戦死しました。
その遺体が葬られた場所が「道三塚」です。

もとは崇福寺の近くに埋葬されましたが、たびたび長良川の洪水に見舞われたため、斎藤家の菩提寺・常在寺(後述)の住職により当地に移されました
周辺は宅地開発されていますが、塚は移転されることなく、今も崇敬の対象となっています。

(道三塚)

さらに足を延ばして、斎藤道三の菩提寺「常在寺」へ。
当寺の住職・日運上人が、道三の父・新左衛門と知己があったことから、道三は土岐氏家臣の長井家に仕えることができたと伝わります。

なお、最近の研究では、一般に知られる道三の功績は道三1代のものではなく、父と合わせた親子2代説が唱えられています。
たしかに常在寺の住職の計らいによって長井家に仕えたのは、道三の父・新左衛門だったとすると、いろいろつじつまが合います。

本堂内には、斎藤道三と斎藤義龍の肖像画が飾られています(撮影禁止)。
道三の肖像画は娘の帰蝶(濃姫)が、義龍の肖像画は嫡男・龍興が寄進したと伝わります。国指定重要文化財です。

(常在寺)


なお、斎藤道三の正室・小見の方は明智光秀の叔母
そのことから、明智一族は斎藤道三の臣下だったとみられ、光秀も道三に仕えていたと言われます。

また、小見の方と道三の間に生まれた帰蝶(濃姫)は、光秀の従姉妹にあたります。
そして、その帰蝶が嫁いだのが、言わずと知れた織田信長です。後に光秀は信長に仕えますが、帰蝶が何らかの役割を果たしたとしてもおかしくありません。

信長、光秀、帰蝶…。道三は去りましたが、図らずも後の戦国の波乱の火種を残すことになったのです。

■基本情報

【鷺山城】
住所:岐阜県岐阜市鷺山150
アクセス:JR岐阜駅からバス「緑ヶ丘」下車徒歩15分

【道三塚】
住所:岐阜県岐阜市長良福光2494
アクセス:JR岐阜駅からバス「北消防署前」下車徒歩2分

【常在寺】
住所:岐阜県岐阜市梶川町9
アクセス:JR岐阜駅からバス「岐阜公園・歴史博物館前」下車徒歩5分

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