
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
街あるき好きにして、歴史好き。
そんな人たちにとって最高の旅。それが城めぐりのぶらり旅、略して「城ぶら」です。
今日の夢中は、城ぶら「根城」!南北朝の激動を生き抜いた北の拠点!歴史ロマンあふれる中世の城跡です。

■城語り
まずは、物語りならぬ城語り(しろがたり)から。
根城は、建武元年(1334年)に根城南部氏をひらいた南部師行(なんぶもろゆき)によって築城されました。
南部氏は、甲斐国に拠点を置いた有力な鎌倉御家人で、南朝方の北畠顕家に従って陸奥国に下向。糠部郡八森に城を構え、南朝方の根本となる城という願いから「根城」と名付けたと伝わります。

(南部師行像)
南部氏は奥州における南朝方の中心として、根城を拠点に津軽など奥州北部に勢力を伸ばしました。
しかし延元3年(1338年)、北畠顕家と共に足利尊氏討伐のために上洛した南部師行が、和泉国で高師直に敗れて戦死…。
その後も根城は師行の子孫らによって守られますが、秀吉の時代になって根城南部氏(八戸氏)は同族の三戸南部氏の家臣格となりました。
寛永4年(1627年)、22代当主・八戸直義が宗家の盛岡藩主・南部利直の命により遠野へ移封。根城は廃城となりました。
■城ぶらり
それでは、奥州北部に残る中世の城郭「根城」をぶら歩きしましょう。日本100名城の一つです。
根城は、戦国期の近世城郭(天守閣を持つ城)とは異なり、武士が暮らす「館」とそれを取り囲む堀や土塁が一体となった中世の城郭の姿を今に伝える貴重な城です。
現在の根城は、徹底的な発掘調査に基づき、本丸の建物跡が最も良好に残る安土桃山時代の姿に復元されています。
根城のハイライトは、なんといっても復元された本丸の建物群です。
門をくぐると、まるで当時の根城南部氏(八戸氏)の日常に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。


その中心に位置するのが「主殿」。城主が来客と接見したり、さまざまな儀式を執り行うための建物と考えられます。
広い座敷には、正月の儀式の様子を再現した人形が配置されていて、まるで時代劇のセットの中にいるようです。


さらには、馬を飼育していたと考えられる「馬屋」が復元されています。
特に八戸地方は古くから名馬の産地として有名でした。騎馬による戦が主力だった時代、当時の武将らがこぞって奥州北部の地を求めたのは当然のことでしょう。


そうなると当然、当地を狙う武将や豪族も多い…。ということで、城跡には堀や土塁など防御の備えが施されています。
特に圧巻なのは堀跡。曲輪跡を囲むように堀が施されています。さすがは奥州北部に勢力を張った南部氏の本拠。堅固な守りです。


他にも、城内には中世城郭を想起させるさまざまな建物群が復元整備されています。
土を掘り窪めた竪穴式建物の構造が特徴的。工房跡や納屋跡など復元された建物のなかで、北奥羽の中心地で暮らした人々の息づかいを感じることができます。


根城は、歴史ロマンたっぷり、中世の暮らしをリアルに感じられる城郭でした。南部師行が奥州支配の根本として築いた「根城」。あなたも一度訪れてみませんか?
今日の夢中は、城ぶら「根城」!南北朝の激動を生き抜いた北の拠点!歴史ロマンあふれる中世の城跡でした。
ありがとう、根城! 日本100名城の一つでした。
■基本情報
名称:根城跡(史跡根城の広場)
住所:青森県八戸市根城根城47
アクセス:JR八戸駅からバスまたは車
開場時間:午前9時から午後5時
休場日:月曜日、祝日の翌日、年末年始









